ラサ市内にあるマルポリ(赤い山)の南斜面に立つダライ・ラマの宮殿で、その規模は高さ115m(山を含む)、13層の構造。東西360m、南北300m、総面積は40万㎡の広大な宮殿。1994年には、ユネスコの世界文化遺産に登録された。
創建は吐蕃王朝期ともいわれが、本格的な工事はダライ・ラマ5世がチベットの政教両面の権力を掌握した1645年から始まり、完成したのはダライ・ラマ5世が逝去して10年以上経過した1695年。
ここはダライ・ラマの冬の宮殿で、白壁の「白宮」と赤壁の「紅宮」の2つに分けられ、部屋数は1万を超える。「白宮」は、政治と宗教の儀式が行われていた場所。最上層にはダライ・ラマの寝室があり、下層は謁見の場となっている。寝室には豪華な調度品があり、ラサ市内を一望できるテラスも設置。「紅宮」は、歴代のダライ・ラマが眠る霊廟がある聖域とされている。ここには多くの仏教関連の壁画や仏像などが置かれており、聖俗両権を持つダライ・ラマが住む宮殿ならではの空間でる。チベット仏教の総本山として、現在でも熱心な信者が全国各地から巡礼に訪れる場所でもある。