ポタラ宮殿から西へ約3km。ノルブリンカはダライ・ラマ7世によって18世紀に建てられたダライ・ラマの夏の宮殿である。完成後は毎年チベット暦の4月から9月までの間、ダライ・ラマの夏の離宮として使用されることになった。36万㎡の面積をもつ敷地内にはケルサン・ディキュ・ポタンなど歴代ダライ・ラマが建立したいくつもの離宮があるが、
ノルブリンカは、東宮、中部、西園で三つの区域に分かれている。各区域は、自然と融和した壮大、秀麗な姿を呈している。ノルブリンカの建築には、チベット高原特有の伝統様式の美が堪能でき、また、内陸の造園の伝統的手法を参考にしている。
「宝の園」を意味するノルブリンカの庭園には、図書館や動物園があり、樹木と花々がきれいに手入れされている。最大の見どころは、1954年に、ダライ・ラマ14世が実際に生活したタクテン・ミギュ・ポタン。ノルブリンカはチベットの人工庭園の中で、最大規模で、かつ最も美しい景色が堪能できる。現在では公園になっており、ラサの人々の憩いの場になっている。