張家界大峡谷は慈利県三官寺郷に位置し、世界自然遺産・世界地質公園である張家界武陵源景区から10km程のところにある峡谷である。原始林におおわれた柱状節理の大峡谷が続き、高い断崖から白い糸を引くように流れ落ちている滝が見事な風景を作り出している。大峡谷の空気は清々しく、渓流に霧が立ちこめ、植物の花畑、昆虫が彩りを添え、秘境へ訪れたような気分にしてくれる絶景である。山頂付近には狭い岩の階段の入り口があり、そこから約1700段の階段を下ると600ｍのスロープがある。スロープ終着点からは約4kmのトレッキングコースとなっている。

大峡谷の谷間に流れている渓流沿いに、木の板で出来た遊歩道がある。大峡谷では太古の自然風景を堪能できるだけではなく、李自成（明朝の末に農民蜂起のリーダー）と吴三桂（明末～清初期の政治人物）が激しい戦いを行った「千人墓」戦場の跡や、湘西の歴史の特色を反映している匪賊洞、解放初期に湘西の人々が絶壁の間に掘った水路「南方紅旗渠」などが残っている。

张家界大峡谷は、世界最長のガラスの吊り橋があることで知られ、イスラエルの建築家ハイム・ドウタン氏によって設計された。橋は全長430mあり、高さ約300m地点に吊るされている。世界最長のガラスの吊り橋で、特殊加工された強化ガラスを約99枚使用。一度に最大800人乗ることができ、橋を渡る際は専用の靴カバーを着用して渡る。橋の先にある峡谷が見事で、南北約5kmに広がる広大な峡谷にはたくさんの滝や渓流、湖を見ることができる。湖はコバルトブルーの美しい色で、渡し船に乗って移動できる。